外で犬と居ると「かわいいわんちゃんですねえ!触らせてもらってもいいですか?」と
満面の笑みを携えて声をかけてくれる方がいます。
犬飼いさんなら経験があるシチュエーションではないでしょうか?
こういう時どうします?というのが今回のテーマです。
今回は、私がどう対応しているのか、なぜそうするのかなどを主観を交えてお話しします。
触らせないのが安全
尋ねてくださる場合はありがたいと思いますが、
結論から言うと、お客さまの愛犬を連れている時はもちろん、自分の愛犬も触らせません。
愛犬を躊躇なく他人に触らせる方もいらっしゃるとは思います。
愛犬を他人にも可愛がってもらうのを見るのが嬉しいとか、
ご近所さんや犬友さんとうまくやるためのお付きあいの一部だとか、
また、人馴れのチャンスだとかと捉えたりする向きもあるのかなあと想像します。
これが愛犬じゃなくて自分の子供だったらどうでしょう。
「かわいいですねえ。触らせてもらっていいですか?」と
自分の子供に他人が向かって来たらどうでしょう。
私の場合は、速攻で「気持ち悪い!」と思ってしまうと思うのです。
私自身に子供はいませんが、想像に難くありません。
私はもしその人に怪我をさせたらいけないからとか
犬にとってネガティブな経験となったらいけないからなどと思う前に
全く悪気はなく、ただ可愛いと思ってくださってることは理解できるものの
何の接点もない他人に犬を触らせること自体が単に「気持ちが悪い」のです。
きれいに整えた愛犬の被毛に他人の手汗や手垢がつくのが嫌だから
触らせないというご意見を聞いた事もあります。理由はそれぞれですね。
愛犬と子供に対する感覚は違う方ももちろんいらっしゃるでしょうが、
当の犬の気持ちはどうだろうということも考える必要もあると思います。
触られるのがウエルカムな犬もいれば、不快に感じる犬もいます。
不快だと感じる犬にははじめから触らせないにしても、
好きだからと触らせた場合でも、
何かの拍子に歯が当たり怪我をさせる可能性はゼロではありません。
実際、跳び上がった犬の下の歯が人の上の歯に当たって人側の歯が
折れた事故が身近で起こりました。
犬側に責任を取らないといけないリスクがあるのに
見ず知らずの他人の欲求を満たす必要があるのかと考えると
触らせないことを選択することが安全だし妥当です。
- 歯があたった拍子に皮膚が裂ける
- 爪が引っかかり服の一部が解れる
- 服が汚れる
「触っていいですか?」の中には上記みたいなことはしないですか?
という意味も含まれていることもあると思うのですが、
飼い主側がみんなそう受け取ってくれるかは分かりません。
また、「触っていいですよ」と飼い主が言ったから触ったのに、
噛まれた!(程度はさまざま)となることはそう珍しいことではありません。
うちの犬は噛まないと信じている(信じたい?)飼い主が多いのも事実です。
飼い主にそうではなくても、他人には歯を当てるケースはよくあります。
犬はいつでも噛めますし、噛んでいなくても突発的に勢いよく歯が当たっただけで
人の皮膚は簡単に裂ける事もあります。
そんなこんなで触られるのも触るのもリスクはあるという事です。
断るのも意外と面倒
お触りNGと伝えた時に理由を聞かれる場合がありますが、
そこは答える必要はないんじゃないかなあとも思っています。
「かわいいと思ってくださってありがとうございます。でも触るのはすみません。」などと
断った後に「どうしてですか?」なんて聞いてくれるなと思ってしまいます。
「吠えちゃうんで」→「犬は吠えるのが仕事だから大丈夫よ!」
「人が苦手なもので」→「じゃあ慣れてもらわないと!」
「とびついちゃうんで」→「とびつくくらい平気よ!」
なんてポジティブに返されると面倒だなあと正直思ってしまいます。
中には、吠えさせたくない、他人にネガティブなイメージを持たせたくない、
とびつかせたくないなど、犬の今後ことも考えてそう伝える飼い主もいます。
触る側はその時だけ楽しんで何の責任も取らないけれど、
それがあったことで犬側は何かしら引きずることもあります。
小学生くらいの子供さんに断ると「なんで?なんで?」となる事があります。
「怪我をさせたらいけないからねえ」なんて言うと
「この犬噛むとー?」と返って盛り上がってしまうこともあります。
退散するも中には追いかけてくる子もいて、こういう場合は困りますね。
犬に触りたい場合は飼い主に聞くのがマナーだとどこかで教わったのかなあとも思います。
「触ってもいいですか?」「いいですよ」からの触り方を習ったのかもしれないけれど、
「触ってもいいですか」の後に「NO!」と言われた時の練習も
しておいてもらえるとありがたいなあと思います。
本来は、犬を見かけたら、お互いの安全のために「近づかない」「大声を出さない」「周りを走らない」
という教育が必要でしょう。
大人も子供も自分の家族ではない犬をお触りしないのがフツーな世の中になれば、
見た目がふわふわで可愛いガルガル犬もその飼い主もお散歩がしやすくなると思います。
「犬好きな人が人嫌いな犬を作る」
こんなことも影響のひとつかなあなんて思ってしまいます。
お触り撃退法
できるだけ少ないエネルギーで断る事ができるように使える策を準備しておくのも良いと思います。
黄色いリボン
「かわいいと思ってくれるのはありがたいけれど、そっとしておいてほしい。」
そんな方には、黄色いリボンや黄色いものをリードにつけることが
「近づかないでね」「そっとしておいてね」と言う意味になるという
イエロードッグプロジェクトをご紹介します。
2012年にスウェーデンから始まった活動で、
極たまーに実践している方は見かけますが、
残念ながら日本ではあまり知られてはいないのが実状です。
でも黄色いリボンをつけているのは、近づかないでほしい合図なのだと
話しかけられた場合に伝えることで、
丸腰でいるときよりはよりはっきり伝わりやすいように思います。
犬好きの方はそうではない人に比べてご存じの方は多いように感じます。
嘘も方便
抵抗がある人もいるかもしれない方法ですが、
「人にも移る感染症」というワードを使うのはどうでしょう。
私はこの方法を多用していますが病気でもない犬にそんな言葉をつかうのは
やっぱり気が引けるのでとある設定にしています。
その設定とは、「カワイイ」が感染する病気ということにします。(これは相手には言いませんよ)
そう思い込めば変な罪悪感は湧きにくいように思うのです。
今、「しょうもな!」と思いました?
でもこれ、案外役に立つのですよ!
ただ、「あの犬、感染症なんだって!」という噂が立ったりしたらヤダという人は
使わないでください。使う場合は、ご自身の責任でお願いします。
感染症といえば大概の人は離れてくれます。
以前、ヨチヨチ歩きのお子さんが私が連れている犬に近づいてきているのに
母親らしき人は遠くでニコニコこちらを眺めているだけの状況で、
「この子、人にも移る感染症なんです!お子さんを呼んでください!」と叫んだら、
血相を変えて猛スピードでお子さんをつかまえにきてくれたという事がありました。
近づかないでほしい意味を含めて「噛みます」とか「吠えます」とか言っても
案外伝わらないものですが、これは効果抜群です。
練習はしておこう
散歩などでは他人に触らせないけれど、もしもの時のために
触られる練習はしておきます。
動物病院やペットホテルやペットサロンでは触られますしね。
事故予防や犬が暮らしやすいようにするためにはやっぱり練習は必須です。
人馴れなどの練習は信頼できる人と行います。
不意の事故的なお触りにもできるだけ対応できる状態は作っておきます。
練習したからといって、100%安全ということはありません。
無言で通りすがりに突然触ってくる方ってやっぱりいます。
こう言う時にもし何か事故っても、触った方が悪いんですけどね。
なんでも準備しておく。
これが一番です。
まとめ
今回は、散歩中などに他人に触らせるかというテーマでお話ししました。
色んな考え方があるとは思いますが、触らせないのが安全です。
断る時の対応法や万が一のための、準備はしておきましょう。
おまけ
以前書いたnoteの記事↓
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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