愛犬がウンチを食べる問題

今回の記事では犬の食糞についてお話しします。
愛犬の食糞に悩まされている飼い主さんは実はけっこういらっしゃいます。
かくいう私も愛犬が生後約5ヶ月でうちに来たその日にウンチをした次の瞬間に
それを食べるという姿を目撃したひとりです。

ウンチを食べることについて獣医師の先生に相談したところ
仔犬が自分のウンチを食べてどうかなることはほぼないとのこと。

ただ食べたものを吐いたりするとさらにとんでもない事態になるし、
不衛生だしやっぱりやめてほしい!
多くの食糞するわんこの飼い主さんもきっとそう思っていることと思われます。

今回はうちの抹茶の食糞にどのように対応してきたのかをざっくりですが紹介したいと思います。
対応方法によっては食糞行動がひどくなったり、ウンチを守るようになったりすることもあります。
この記事が愛犬の食糞で困っている飼い主さんたちにほんの少しでもヒントになればと思います。

目次

まずは健康診断

現在15歳になる抹茶(コーギー女子)は、迎えた時にはすでに筋金入りの食糞わんこでした。

うちに来たのは生後5ヶ月になろうかと言うとき。
冒頭でもお話しした通り、うちに来たその日からウンチをしたら即食べるという感じだったので
抹茶にとって食糞はごく当たり前の通常の行動だったようです。

後から彼女のお里に食糞のことを話しましたが、「うちではしてなかった」とのこと。
お残しなく綺麗に食べてたから気付いてなかったのかもなんて思ってしまいました。

そんな抹茶ですが健康上の問題があるかもしれないということで
まず健康診断をしてもらったところ、
食糞に関係するような気になる病気などはないとのことだったので
食糞にはトレーニング対応をしていくことにしました。

トレーニングは環境を整えることからはじめました。

居場所作り

生後5ヶ月くらいのわんこのウンチの回数は成犬に比べると多いので
トレーニングチャンスはたくさんあります。

これは仔犬の排泄関係のトレーニングがしやすい理由の一つです。

私の寝室をとりあえずの抹茶のメインの居場所にすることにしました。
狭い部屋にコーギーの仔犬のサークルを置くために
ベッドをはしごで登るタイプに変えて
その下に抹茶のサークル(90cm×180cm)を作りました。

サークル内の両端にトイレと寝床をそれぞれ離して設置し、中央は遊べるスペースにしました。

私は抹茶の居場所の上で寝るので夜中に少しでも音するとすぐに気付けるのです。
抹茶は朝方にウンチをすることが多かったのですが、即対応ができました。

対応方法

当時の抹茶はウンチをするとすぐに食べてしまっていたので、
ウンチをしたらすぐにベッドの上からドッグフードをバラっと放って
彼女がそのフードを食べている間にはしごから降りていきます。

下に降りたらまた少しフードを転がして、
彼女が食べている間にウンチを片付けます。

最後に抹茶のお口にランク高めのおやつを届けて終了です!

「食べてる間にウンチを取られた!次は取られないようにしないと!」なんてことにならないよう、
むしろ「ウンチをママにあげた方がお得!」と思ってもらうイメージです。

抹茶の反応を見ながらどう感じてくれているかは都度のチェックはしていました。

こういう対応を続けていくうちにウンチをしたら教えてくれるようになり
見ていない時でも徐々に私へのおすそ分けが増えていき
最終的には排泄後に全く触らずに教えてくれるようになりました。

お散歩中は他の子のウンチも気になる

お散歩では、他の犬のウンチ(好みはあるらしい)と猫のウンチも気になるようで・・・
猫のウンチが好きなわんこさんは多いです。

これに対しては、呼び戻しや手に鼻をタッチするトリックなどで
頭の方向を変えてもらうという対応をしました。

それでもお口に入れちゃうことがあったので、
お口に入れたものを合図で出してもらうトレーニングもしました。

トレーニング内容を維持する

犬は一度教えたことは、いつでもどこでもそれを実行してくれるものなのかと
思われている方もいらっしゃるとは思いますが普段から練習していないとやっぱり忘れます。

また、場所などの条件が変わると分からなくなってしまいがちなので条件を変えて練習することも必要です。

維持する練習といっても犬にとってトレーニングは「遊び」です。
遊びが練習なるので楽しくお勉強をしてもらうことができます。

犬には常にイイ気分でいてもらう

しつけとかトレーニングという言葉に、どうしても「厳しい」「しかる」「従わせる」というような
イメージがあるのか、仔犬の頃から厳しくしつけて行儀の良い子に育てよう!と
一生懸命な方もいますが、それはどちらかというと間違いです。

犬の行動に困ってからトレーニングを考えるということもよくありますが、
今犬がやっているその行動はその犬にとって必要なことです。

私たちの文化や常識に当てはめると、「悪いこと」でも
犬にとっては必要なことなのです。

それをただ人間側が犬にやめてもらいたいという理由だけで
突然叱って犬を怖がらせたり罰したりしても犬を困惑させるだけです。

叱ったところで何をしたらいいかなんて教えられないのに
しつけと称して叱る対応でなんとかできると信じている方が多いのが現状です。

厳しい対応により犬を混乱させてしまい
問題の悪化や新たな問題を発生させることも少なくありません。

トレーニングでは犬には終始イイ気分でいてもらうことを大切にします
叱って怖がらせることや不安などの不快な感情を利用することは避けます。
また諦めを利用して行動をやめさせる方法もできる限り使いません。

無理矢理に行動をやめさせるのではなく、それとは違う行動を犬が選んでくれるようにまず工夫します。
それがしやすいように環境を整えるのは鉄則です。犬が人に合わせるのではなく人が犬に合わせます。

その後、犬が選んでくれた行動を犬がさらに選び続けてくれるようにトレーニングを続けます。

必要な行動なのに叱られると、飼い主の目がないときにその行動をするようになることもあります。

排泄の失敗で叱られた犬が飼い主が留守の時や見えないところでおしっこをするということもよくあるケースです。
片付ける必要のある排泄こそ飼い主の目の前でしてもらいたいですよね。

食糞のケースもまさにそうで、飼い主の前でウンチをした方がお得だと犬が思ってくれた方が
飼い主にも都合が良いのです。

そんな理由もあり、排泄のしつけで叱ることは特におすすめしません。

注意

トレーニングのスタート時点で
それまで積み重ねてきたことがそれぞれ違いますし、
性格や受け止め方もそれぞれですから
今回紹介したような対応を実行しても
うまくいかないケースももちろんあります。

叱って結果良かったと仰る方もたまにいらっしゃいます。
この場合の「良かった」というのは飼い主の思い通りになったという意味の場合が多く、
犬にとってはどうなのかな?と思ってしまいます。

トレーニングはこうやって行こうかなと思っていてもそうならないこともあります。

犬は言葉では喋ってくれませんが、いろんなサインを体で表現してくれます。

トレーニング中はボディーサインやトレーニングの進み具合なども見ながら
今のやり方がその犬にとってどうなのかを判断します。

その後の抹茶

今回は抹茶の食糞を改善した方法についてお話ししました。

その後の抹茶はというと成長に伴い家でのウンチは徐々にしなくなり、
朝夕のお散歩の時だけするようになったので自分のウンチを食べることはほとんどなくなりました。

散歩では他の犬や猫のウンチには惹かれるようだったので都度対応しているうちに、
ウンチを見つけると私を見ることが増えて、食べることは激減しました。

並行して、物から離れることと口に入れたものを出す練習もしたのでそれもとても役に立ちました。
たまに落ちてる食べ物などにもこれで対応できたので教えて良かったと思います。

食糞をするからと匂い嗅ぎをはじめからさせないという対応をする方達もいるようですが、
犬にとって散歩中の匂い嗅ぎができないのは散歩の満足度をかなり下げてしまうことになるので
うちの場合は抹茶の行動や嗅ぐ場所をしっかり観察しながらできるだけ匂い嗅ぎには付き合ってきました。

今回紹介したこと以外にも気をつけたことはありますが
あまりここでお話しするとややこしくなってしまうので機会がありましたら
どこかで紹介させていただこうと思います。

15歳の今となっては変性性脊髄症も発症し、下半身の麻痺がありますが
毎日のお散歩は欠かさず匂い嗅ぎも含めて楽しんでくれています。

今でも猫のウンチの匂いもしっかり嗅いでは、「そろそろ行こうか」との私の誘いに
「はいはーい!」という感じで応えてくれます。
もちろん「ちょっと待って!」というときもありますので、
そういう時は気の済むまでクンクンしていただきます。

最後に

食糞が起こるのはいろんなケースがあるようです。

今までなかったのに突然始まった場合や異常なまでに執着する場合もあるようです。

食糞対応のトレーニングを考える前に身体に異常がないか必ず健康診断をしましょう
異常がなければトレーニング対応に進みます。

他に食事内容を変えることで食糞が減ることもあるようです。
抹茶の場合は、うちに来てしばらくは腸内環境が悪かったのは確かでおならが異常に臭くて
そのことで獣医師の先生に相談して今まで続く手作り食に落ち着きました。

抹茶の場合は食糞と食事に関係があったかはわかりませんがもしかしたら
キッカケになった可能性もあるかなと今は思っています。

食糞対応トレーニングに関してもオンラインでもオフラインでもレッスン可能です。
いつでもご連絡ください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。




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この記事を書いた人

CCPDT認定ドッグトレーナー
動物取扱責任者
福岡県動物愛護推進委員
人道的なドッグトレーニングの普及
訪問&オンラインで個別レッスン実施中

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