こちらの記事は、stand.fmで22年5月19日に配信した放送を元にテキストにしたものです。
付け足したり直した箇所もあります。
飼えなくなったということで保護された犬
犬を迎える条件を今一度考えるきっかけとなった出来事があったのでシェアしたいと思います。
私のように動物関係のお仕事をする場合、動物取扱業の届けを出す必要があります。
今月はうちが5年ごとの継続をする時期で管轄の保健所にゴールデンウィーク前から何度か伺いました。
保健所に伺いましたらたまたまそのタイミングで一般のご家庭で飼育できなくなったという
10歳になる大型犬を一時保護しているということでその犬に会わせてもらいました。
大型の日本犬雑種の男の子ではじめは凄い勢いで吠えられましたが、
おやつを使って遊んだりしているうちに徐々に落ち着き可愛い表情も見せてくれました。
どういう経緯で保護することになったのかを伺ったところ、
その犬が噛みつくということと
元の飼い主さんがご高齢で飼育しきれなくなったということでした。
犬の大きさや年齢と飼い主側の年齢を考えた場合、
飼育が徐々に大変になるだろう予想はついただろうし
それならいづれ誰かに可愛がってもらえるように
犬に教育を受けさせておくこともできたんじゃないかなどと思ってしまいました。
職員さんの話では飼い主さんかどうかはわからないが
人から暴力を受けていただろうとのことでした。
今回の事態は予防できたことだったと思いますが
その子に責任の全てを追わせる結果にしてしまったのです
犬と暮らす3つの条件
犬と暮らすのはハッピーな面もあれば大変な面もあります。
「犬が好き」とか「憧れ」だけで犬と暮らすのは無謀です。
犬と暮らす上での最低限必要な条件が3つありますが
それらを満たすことができるか、よく考える必要があります。
その3つの条件というのは、「時間」「体力」「お金」です。
「時間」とは
1日のうちで必要な散歩やお手入れや遊び。
たまに病院に連れて行ったりもしますが、
そう言ったことに費やす時間のことです。
多分毎日最低でも2時間ほどは必要です。
「体力」とは
犬は成長すると体重が増えまた力も出てきます。
毎日の散歩や遊びにはある程度の体力が必要です。
また歳をとると寝たきりになることもあります。
犬が寝たきりになるかもしれない時に自分は幾つになっているでしょうか。
その時にお世話ができるでしょうか。
「お金」とは
毎日の食費や予防も含めた医療費の他
美容やトレーニングの費用がかかります。
犬を迎える時の費用のよりも
その後に継続的にかなりのお金が必要になります。
その他の条件は
この3つはあくまで最低限の条件で、
他には、
- 犬飼育に関しての勉強すること
- 何かあった時に助けてくれる人間関係があること
- 飼い主自身の心の安定
などが必要です。
最低限の3つの条件を満たせないなら
これらの条件を満たすことができないならはじめから
「犬を迎えない」選択をすることが妥当です。
何故なら犬を幸せにできない可能性が高くなるからです。
「条件が整っていないから犬を迎えない」という選択ができる人は
本当に犬が好きで犬を大切に思っている人だと思います。
“なんとかなるだろう”で迎えると
はじめにお話しした犬のようにさせてしまう確率が高くなるでしょう。
犬は人のサポートなしには生きることができない立場にいます。
私たちが犬の「生活の質」や「生死」を決めていると言っても過言ではありません。
犬を飼い始めるのは簡単ですが、
犬が幸せに暮らし続けるサポートをその犬が生きている限り続けられるでしょうか。
人の子はいつか独り立ちしますが、犬は死ぬまで飼い主のサポートが必要です。
犬と暮らすことは、人によってはかなり面倒くさい日常になるでしょう。
- 犬のために時間を削るなんてできない
- 犬のためにお金を使うのが勿体無い
- 犬の運動量を満足させることや犬が寝たきりになってまでお世話することはできない
こう思う場合は犬と暮らすのは向いていません。犬と暮らすのは諦めましょう。
そういう方にはペット型のロボットがいいと思います。
私も大好きでインスタでフォローしまくっているLOVOT(らぼっと)は
まるで生きているかのように振舞ってくれるし
唯一無二に近いオリジナリティーも楽しむことができます。
また、らぼっとのオーナーさんたちのコミュニティーは主観ですが
犬友となんら変わりない感じも受けます。
最近はテレビでもよく見かけます!
迎える?迎えない?
先ほども条件プラスアルファを満たすことさえも楽しめる人は
犬との暮らしを隅々まで楽しむことができると思います。
そんな人に迎えられた犬はきっと生涯幸せに暮らすことになるでしょう。
気軽に犬を迎えられる現状ですが、「好き」や「憧れ」だけでは
犬との暮らしを楽しんだり、犬を幸せにすることが出来ないことをわかった上で
犬を迎えるか迎えないかの選択をしてくれる人が増えればいいなと思います。
私たちができること
冒頭にお話しした大型犬はどうなったか確認はしていませんが、
譲渡できると判断ができれば保護団体に引き出してもらえるとのことでした。
保健所の職員さんは連休も交代でその子のお世話をされるとおっしゃっていました。
咬まれる危険もある状態でその子と向き合っておられる姿に頭が下がりました。
こんな目に遭う犬たちが一頭でも減って一頭でも幸せに暮らす事のできるような未来が来るよう
それぞれの人ができることを考えて実行していかないといけないなと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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