子犬とのオモチャの引っ張りっこ遊び

子犬を迎えた多くの飼い主さんは、その子のためにオモチャを準備していると思います。子犬は何かと齧ったり咥えたり引っ張ったりといった遊びをするのでオモチャがないと家具やその他のものがボロボロになってしまいます。子犬とおもちゃは切っても切れない関係です。
この記事では、子犬とのオモチャ遊び、特に引っ張りっこ遊びについてお話しします。

目次

1. 飼い主とのオモチャ遊びの重要性

子犬がオモチャをカミカミして、ひとりで遊ぶことももちろんありますが、飼い主と遊ぶことで、ひとり遊びでは得られない刺激を楽しむことができます。オモチャの引っ張りっこや逃げるオモチャを追いかけて噛み付くことなどはひとりではできないスリリングな遊びです。

飼い主との遊びを通じて、より上手に身体を動かせるようになったり、飼い主とのコミュニケーションもより上手になったりします。一緒に楽しい時を過ごす飼い主により良い印象を持ってくれやすくもなります。

また、楽しく動いて満足したあとは、自然とゆっくり休みたくなるものです。ゆったりリラックスして休むことが習慣となることも大切なことです。子犬のうちに満足するほど動けていなかったり遊べていなかったりすると、飼い主を追い回すのが習慣となってしまったり、飼い主の気を引く行動をたくさんとるようになったりと、行動問題に発展することもあります。

しっかり遊ぶとしっかり休んでくれます。あとはバランスよくしっかり食べることも大切。遊びが足りずに行動問題に発展するケースもあるので、子犬の毎日の遊びが重要であることを多くの飼い主さんに知っておいてもらいたいと思います。

2. どのようなオモチャを選ぶと良いか

ここでは、飼い主と子犬が引っ張りっこで遊ぶためのオモチャについてお話しします。子犬との引っ張りっこ遊びには小さなオモチャではなく、長さや大きさのあるオモチャがお勧めです。

なぜかというと、小さなオモチャを手で持って遊んでいると子犬の歯が手に当たる可能性が高くなるからです。まだ生え変わっていない子犬の歯は尖っているため勢いよく当たったり、オモチャを噛もうとして間違って手を噛むと流血することもあります。

遊んでいるときに手を噛まないことを教えることも大切ですが、とりあえずはじめのうちは思いっきり遊んでもらいたいので、飼い主が持っている手から遠いところを子犬が咥える形になるオモチャや間違っても手を噛めないオモチャを選びましょう。オモチャ選びも環境設定です。

3. 引っ張りっこ遊びで気をつけること

引っ張りっこ遊びで気をつけておきたいことがあります。
怪我防止のために気をつけることは次のとおりです。

怪我をさせないために

  • 滑りにくい床や地面を選ぶ
  • 急な動きは避ける
  • カーブは大きく回す
  • 犬の引っ張る力を大きく上回らないように力加減をする
  • 犬が立ち上がる状態にならないよう地面と水平方向もしくは少し斜め上方向に引っ張る
  • 歯に引っかかっている状態で無理に引っ張らない
  • 食後は30分以上時間を空ける


学習面についての問題予防のために気をつけたいことは次のとおりです。

覚えて欲しくないことを避けるために

  • 引っ張りっこ遊びは犬のオモチャに限定する(❌ズボンの裾・靴下・タオル など)
  • 遊んで欲しくないものは犬が近づけるところに置かない
  • 同じタイミングでの遊びを習慣にしない
  • 興奮しすぎないように休憩を入れながら遊ぶ(例:30秒ほど続けたら5秒休みなど)
  • 子犬が遊びに乗ってこない時は無理に誘わない
  • 引っ張りっこ遊びだけが飼い主との遊びにならないように少しずつ遊びのバリエーションを増やす

犬により、ここにあげたことは当てはまらない場合もありますし、これら以外に気をつけた方がいいこともあります。

4. よくある質問

Q.  引っ張りっこは飼い主が勝たないとダメなのよね?
A.  勝ち負けにはこだわる必要はありません。引っ張っている最中に手を離してオモチャが犬に渡る形になっても大丈夫です。お互いに勝ったり負けたりすることでより楽しいゲームになります。

Q.  引っ張りっこ中に子犬が唸り声を出すのでやめさせたいんだけど?
A. 引っ張りっこ遊びで盛り上がると唸り声が出ることがあります。多くの場合は、遊びの範疇の唸り声です。犬によっては危険な場合もあるので、心配な場合はプロのトレーナーに見てもらいましょう。

Q.  口からオモチャを離してもらうにはどうしたらいいの?
A.  遊び終わりは、子犬に渡して飽きるまでカミカミさせることもあります。引っ張りっこが気に入っている子犬はそのオモチャでのひとり遊びはおもちゃが動かないことで楽しさが半減し飽きやすくなることもあります。犬がオモチャから離れたら、オモチャをしまいますが、その時にドッグフードなど床に数粒ばら撒いてそれらを拾って食べてもらいましょう。その間にオモチャを拾い上げることで、オモチャを取られるイメージを悪いものにするのを防ぎやすくなります。

5. まとめ

今回は、“子犬とのオモチャの引っ張りっこ遊び” に焦点を当て、お話しさせていただきました。満足できる遊びを大切な子犬の時期に毎日提供できていると必要な遊びやコミュニケーションの埋め合わせを犬自身がする必要がなくなるため、そういう面から起きてしまう行動問題の予防になります。子犬と遊ぶことは飼い主にとっても楽しく有意義な時間です。
愛犬が将来も豊かで楽しく過ごすことができるように、すぐに終わってしまう大切な子犬の時期がその基盤となるよう過ごさせてあげましょう。

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この記事を書いた人

CCPDT認定ドッグトレーナー
動物取扱責任者
福岡県動物愛護推進委員
人道的なドッグトレーニングの普及
訪問&オンラインで個別レッスン実施中

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